仮設エレベータ 落下事故について

こんにちは。KILIN TEC(株)の岸本です。

さて、皆様はどのようにGWを過ごされましたか?

私は近場の公園で家族と過ごしました。まぁゆっくりさせて頂きました。

さて、以前の予告通り2022年3月31日 15:45頃に発生した「仮設エレベータ落下事故」について

書いていきたいと思います。

WEB上で情報収集をしたのですが、専門的な方が書かれているものが見つからなかったので

元仮設EVメーカに在籍していた伝手を使い、詳細を確認しました。

EV製造メーカー等も判明したのですが、もちろんここでは伏せておきます。

さて、WEB上ではロングスパンだ!と言われていますが、どうやら1本レールの人送用EVみたいですね。

そもそものお話ですが、仮設(工事用)EVの駆動部は基本的にラックピニオンを採用します。

(ロータリーなどもありますが)従いまして、ワイヤーでの動作は採用しません。

本題ですが、今回事故に至った原因は警察が明らかにしていないため、あまり情報が無いとのことでした。

そこで、私が得た情報と状況から「恐らくこれだろう・・・」という事例を推測します。

仮設EVは躯体(建設中のビルやマンション等)が出来上がるにつれ、EVもその躯体に合わせて

着床階数(フロア数)を上げていかなければなりません。

その作業を「クライミング」と呼びます。

その作業中にEVがレールから抜け落ちて落下したのではないかと推測されます。

このクライミング時は通常動作ではないので一部の安全装置を切り離して実施する必要があります。

私が得た情報では、抜け止め安全装置(EVがレールから抜ける前に制御で止める装置。)

(以下、抜け止めLS)は装着してたとのことです。

ただ、抜け止めLSが動作しないように細工をしていた。(クライミング作業なので)と推測できます。

次にその抜け止めLSが細工されていた場合でも、上限LS、さらには上限final LSが存在します。

上限LSは動作が止まる仕様です。上限final LSは電源遮断に至ります。

(メーカーによって異なる場合があります)

従いまして、EVは完全停止をするはずなのですが・・・

なぜでしょう。上限・上限final LSは取付場所にもよるのですが細工しなくてもよい気がするのですが。

いずれにせよ、このあたりがEV落下の要因になるかと思います。

ちなみに抜け止めLSは取付義務はないとのこと。取り付けることが望ましいというニュアンスみたいです。

このような事故が発生するのを抑制するためにも、安全装置を必ず動作させるような制御設計が必要です。

弊社はどんな回路にも安全装置を後付けできます。何かあればご相談ください。

そして皆さま、本当に安全第一で。

注)TOP画像は本件と全く関係ありません。

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